京都のラーメン今と昔

戦後の屋台から普及した京都のラーメンは、豚骨や鶏ガラのスープに醤油のタレが基本。「薄味」とされる京料理とは違う、京都人が好む日常食であるラーメンは、しっかりと旨みが濃いものが多い。今や多岐にわたるタイプ別に食べ比べすれば、世界へ通じる人気の理由が分かるだろう。

麺屋 猪一 離れ(めんやいのいちはなれ)
TEL : 無
住所 : 京都市下京区泉正寺町463 ルネ丸高1F
営業時間 : 火〜土曜日11:30am-2pm, 6pm-10pm
日曜日: 11:30am-2pm, 6pm-9pm
※スープ無くなり次第終了
定休日 : 月曜日 (月曜日が祝日の場合は営業、翌火曜日が定休日となります)
タバコ : 全席禁煙

京都のラーメン店の中でも、最先端とも言えるのが[麺屋 猪一 離れ]である。豚骨や鶏ガラなどの動物系のスープではなく、こちらの旨みの素は鰹節など魚介のみ。うどんや蕎麦、和食に共通する「出汁」と呼ばれるものだ。油脂を極力入れずにラーメンの濃さを出すには、うどんなどの出汁よりも上質の材料を大量に用いなければならない。動物系のスープと「出汁」を用いたWスープなど、複数の旨みをミックスする店も増えている。端的に言えば、動物系のスープをより煮詰めた濃厚系に分類される店と、「和だし」を用いた澄んだスープの清湯系に分類される店の二極化が進んでいる。

  • 本家 第一旭(ほんけだいいちあさひ)
    TEL : 075-351-6321
    住所 : 京都市下京区東塩小路向畑町845
    営業時間 : 5pm-2am
    定休日 : 木曜日
    タバコ : 全席禁煙
    WEB : http://www.honke-daiichiasahi.com/

    近年の清湯系に分類される店では、魚介の中でもアサリなど貝類を出汁に使う店も増えた。後述の[煮干しそば 藍]などイワシの稚魚を煮て天日干しした「煮干し」や、乾物類ではホタテ貝柱やイカの干物を加える店も多い。同じ魚介の乾物でも、鰹以外にサバ、サンマなど、細分化が進んでいる。[本家 第一旭]のような京都ラーメンの老舗にはこのようなスープが多い。
     一方、濃厚系と呼ばれるスープには大量の鶏ガラを煮詰めて白濁させた「鶏白湯」や、九州・福岡発祥とされる豚の骨を煮込んだ「豚骨」がある。
     それぞれの組み合わせによって、店の個性が引き出され、さらに麺や具、薬味などの違いがある。新しい店と老舗を食べ歩くことで、西陣織のような煌びやかな時代を迎えていることを実感していただければ幸い。

  • コラム : 曽束政昭 Masaaki Sotsuka
    1968年京都市生まれ、大阪市在住のフードライター。麺類はもとより、お好み焼きや焼肉、鮨など、京阪神を中心に全国を取材する。著書に『1泊5食』『京阪神から行く一泊五食のうまい旅』(京阪神エルマガジン社)。近著に堀埜浩二氏との共著『大阪ソースダイバー』(ブリコルール・パブリッシング)がある。

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