京都の涼体験、保津川下り(1)

京都市の西隣に位置する亀岡を出発し、嵐山までの約16km、約2時間かけて自然の中を舟で進む保津川下り。春は桜、秋は紅葉、冬は雪景色、そして今なら、樹々の緑が爽やかな夏の船旅が楽しめる。寺社仏閣だけじゃない、京都の魅力が発見できる。

ゆるやかな流れあり、水しぶきをあげる激しい流れあり。船頭さんの見事な竿さばきによって安全に、渓谷を進む保津川下り。保津川とは、京都府の丹波地方・亀岡を起点に保津川渓谷を経て、嵐山へと流れる桂川の別名。保津町という町の名前にちなんで、保津川と呼ばれるようになった。

次々と現れる大小の岩の間を通り抜けていく、保津川下りが開始されたのは、1895年頃。実はそれまでの保津川は、京都や大阪に物資を運ぶ水路として活用されていた。1606年、水運の父と呼ばれている角倉了以が、木材・穀物・薪炭など丹波地方の生産物を京都へ送るため、産業用の水路を整備。戦後しばらくは活用されていたが、1899年に開通した鉄道路線、さらにトラック輸送の発達によって、荷船を使った運送は消滅。水運の役割を終えた保津川下りは、保津川渓谷の美しさを鑑賞するための、観光舟下りと形を変えた。

 

亀岡市保津町にある保津川下りの乗船場までは、JRや車で行くこともできるが、トロッコ列車を利用するプランが定番人気。トロッコ嵯峨駅からトロッコ列車で25分ほどかけてトロッコ亀岡駅へ。そこからバスや馬車を利用して、保津川下り乗船場へ向かおう。後は保頭川下りを悠々と楽しんでいるうち、嵐山に戻ってくる。日本の皇族をはじめ、ルーマニア皇太子、イギリス皇太子など諸外国のVIPも体験された由緒ある保津川下り。きっと、かけがえのない夏の思い出になるだろう。

 

見所満載のコースと船頭のホスピタリティに感動

快晴に恵まれたある日、保津川下りに初挑戦したのは、故郷のアフリカを離れて世界中を旅した後、京都にたどり着いたデリルさん。嵐山の近くで英会話教室を運営し、休日は郊外に出かける自然派だ。「カヌーや釣りなど水辺の遊びが好きで保津峡あたりに来たことは何度もあるのですが、保津川下りは体験したことがなかったので、とても楽しみです。」

船頭・森田さんのトークに微笑みながら、いざ保津川下りスタート。ギーギーという櫂ひきの音をBGMに、船はスイスイ進んでいく。ライオンや蛙など動物に見える岩、岩の同じ箇所に竿をさしたことでできた「竿の跡」、人力で船を引き上げていた時代に岩に擦れてできた「綱の跡」などポイント説明を聞くことで、保津川下りの歴史にも触れながら楽しめる。またタイミングが良ければ、トロッコ列車が走る様子に遭遇することもあり、列車の乗客と手を振り合う時間に心が和む。「春には桜が咲き、夏には鮎が釣れる。2億5千年前の地層があったり、可愛らしい鴨を発見したり…船に乗っている間にどんどん景色が変わって、とても面白かった。

 
 

また景色とともに、デリルさんの印象に残ったのが、船頭さんたちのホスピタリティ。「とても日本人的、こんなにお客さんに合わせて漕いでくれる船頭さん、海外にはいないよ。船頭さんたちがお客さまに喜んでもらうために、いろいろ配慮しているのがとてもわかりました。」川下りの終盤には、イカ焼きやおでんなどを船の上で販売する売店船が横付けする。「お酒やお団子、いろいろあって楽しい。京都というと、どうしてもお寺のイメージがあるけれど、毎日お寺観光では飽きてしまうでしょ。感動の多い保津川下り、友人みんなにおすすめしたいです。」

 


船が到着する下流の茶屋にて、船頭の森田さんと会話が弾むデリルさん。


■DERYL LEIGH WARD
イギリス出身。両親の仕事の都合で幼少〜青年期をアフリカで過ごす。18歳ごろからヨーロッパ、アメリカ、ニュージーランドなどを巡り、1995年に日本へ。小・中学校の講師を経て、現在は嵐山の近くで英会話教室を開いている。

■保津川下り
住所:京都府亀岡市保津町下中島2(乗船場)
TEL:0771-22-5846
料金:大人¥4,100、子ども(4〜12歳)¥2,700
所要時間:約2時間(水量によって時間が変動)
http://hozugawakudari.jp/

▼定期船の出航時間(3月10日〜11月30日)
9:00/10:00/11:00/12:00/13:00/14:00/15:30

※定員になり次第、随時出船する場合あり
※土・日曜、祝日は不定期運行
※貸切船¥82,000(17名まで)

▼京都駅から乗船場までのアクセス

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