それぞれの個性で時を語る 純喫茶

学生たちが語らい合い、地元民が新聞片手に一服する憩いの場。一言で純喫茶といっても、醸し出す雰囲気や守ってきた伝統は様々。長い歴史の中で京都の街に根付き、人々の暮らしと共に発展してきた個性的な老舗を紹介。

喫茶ソワレ:青く輝く乙女の聖地


1948年創業以来、趣の変わらない喫茶店。京都随一の繁華街・木屋町にあって、そこだけタイムスリップしたかのような佇まいだ。昭和を代表する美人画の巨匠、東郷青児も足繁く訪れたというこの店の看板や調度品には、氏の描いた女性たちが物憂げな表情を浮かべている。BGMはなく、カップの音だけがかすかに響く店内は空想に耽るのにちょうど良い静けさ。フランス語で夜会を意味する店名の通り、日が暮れるにつれブルーの照明が妖しい輝きを増す。看板メニューのゼリーポンチ(¥700、数に限りあり)も、そんなレトロな世界観を体現。はじけるソーダに浮かぶ色とりどりのゼリーはまるで宝石のような美しさで、ロマンチックなムードを一層引き立ててくれる。

  • 喫茶 ソワレ
    TEL:075-221-0351
    住所:京都市下京区西木屋町四条上ル真町95
    営業時間:13:00〜19:30(L.O. 1階:18:00、2階:18:45)
    定休日:月曜
    価格帯:平均700円
    タバコ:禁煙

 

フランソア喫茶室:今に残る前衛文化の拠点


日本の古都にありながら、西洋の街角を思わせる店構え。国の有形文化財にも登録される喫茶店の歴史の幕開けは1934年。軍靴が忍び寄る時代であった。世間の重苦しい空気を他所に、創業者・立野正一と芸術家仲間たちが設計した店内には芸術家や文化人が集い、自由な議論を交わしていた。ステンドグラスや白いドームの天井など、当時の文化的雰囲気を伝える設えはそのままに、現在では季節に合わせた新作の洋菓子も登場。プリン ア・ラ・モード(税込1,000円)は、生クリームや卵のコクが感じられる甘みが特徴で、ブラックコーヒーと合わせたい一品。コーヒーの香りとクラシック音楽に包まれた優雅な時間を十二分に堪能するなら、比較的人の少ない午前中がおすすめだ。

  • フランソア喫茶室
    TEL:075-351-4042
    住所:京都市下京区西木屋町通四条下ル船頭町184
    営業時間:10:00〜23:00(L.O. フード:22:00、ドリンク&ケーキ:22:45)
    定休日:無休(12月31日~1月2日、夏季2日間休)
    価格帯:600円〜
    タバコ:禁煙
    http://www.francois1934.com/index.html

掲載されている情報は2018年8月時点のものです。

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