~世界遺産の街 宇治で過ごす午後~

雨上がりの午後、傾きかけた西日を受け宇治の平等院鳳凰堂がその威厳に満ちた姿で私を出迎えました。京都駅から快速電車に乗って約17分の短い旅は、11世紀の貴族が愛した美しい別荘地へのタイムトラベルです。大きな鳥が羽を広げたような阿弥陀堂と屋根に輝く一対の鳳凰、そして当時、最高の技術を持っていた仏師によって造られた阿弥陀如来坐像は訪れる人を極楽浄土へといざなってきました。

美しい宇治の風土とともにこの地は現在も多くの人々の心を癒す不思議なパワーに満ちています。

平等院を出て色づき始めた対岸の山並みを眺めながら宇治川沿いを歩くこと数分、宇治市市営の茶室対鳳庵があります。

1221日~19日を除く毎日、本格的な抹茶席体験ができます。予約がなくても一人500円でお菓子と抹茶を頂くことができます。

私が訪れた日はちょうどアメリカから来られたデビッドさんがガイドさんと一緒に体験をされていました。お湯の沸く音が静かに響くお茶室で旅の疲れを癒す。夢のような時が流れました。「抹茶は初めてだけど、美味しかったよ」とデビットさんは穏やかな表情で語りました。

宇治と聞いて誰もがまず思い浮かべるのが宇治茶。温暖な気候や土質などの恵まれた地形条件が宇治の茶づくりを支えてきました。栽培の途中で茶園に覆いをかけるという独自の栽培方法によって香り、味、色ともに最高水準のお茶が13世紀初めからつくられています。

そんな宇治で最後におとずれたのが創業1860年、「辻利兵衛本店」。
もと製茶工場の建物の一部をリノベートして3年前にオープンしました。天井の古い大きな梁が印象的な店内は創業以来使用していた焙煎機や金庫など時代を感じさせるものとモダンな家具が調和してとても居心地がいい。

窓際のゆったりとしたソファ席でお店の看板メニュー、宇治抹茶ぱふぇ(¥1728)の秋限定バージョンをいただきました。

「!」「抹茶の味が濃い!」限界まで使っているという高品質の抹茶の味がこだわりのトリュフや季節のスウィーツと絶妙のハーモニーを奏でます。定番のパフェのほかに年に何回か期間限定のパフェが登場します。さらに数種類ある抹茶スウィーツも人気です。
そういえば、お店のホームページに書いてありました。「宇治を、召し上がれ」。
この味、さすが宇治です。本場の誇りです。

徒歩圏に二つの世界遺産をもつ宇治駅周辺。ここはゆっくりと時間が流れる街です。「また行きたくなる街、何時間でもいたい街、市民の皆さんとそんな街づくりを目指しています。」宇治市商工観光課宮本俊宏さんの言葉が胸に沁みました。宇治の魅力を満喫しつつ、京都へ帰る電車に乗り込みました。
「宇治、ごちそう様でした。また来るね。」

●平等院
住所:京都府宇治市宇治蓮華116
電話:0774-21-2861
拝観時間:8:30am~5:30pm(鳳翔館は9am~5pm)
https://www.byodoin.or.jp

●市営茶室対鳳庵
住所:京都府宇治市宇治塔川1-5
電話:0774-23-3334
10am~4pm
定休日:12月21日~1月9日
http://www.kyoto-uji-kankou.or.jp/multilingual/index-en3.html

●辻利兵衛本店
住所:京都府宇治市宇治若森41
電話:0774-29-9021
営業時間:10am~6pm(ラストオーダー5pm)
定休日:火曜日・年末年始
英語メニューあり。英語、中国語対応スタッフ有。
http://www.tsujirihei.co.jp

勝見優子/yuko
勝見優子/yuko

日本/京都市認定通訳ガイド/ 歴史のある古い物が大好き。 そして新しいものを生み出す京都の人も。 私と一緒に古くて新しい京都を発見しましょう。ーーーJapan/Interpreter guide certified by Kyoto city/I like historical, old things. And I also like people in Kyoto who create new culture. Why don’t you discover traditional but innovative Kyoto with me?